Q:
静岡市清水区の借家の大家さんからの相談。
築40年の木造家屋を貸しているが、居間の天井の一部が落ち、よけようとした借家人が腰をひねり、現在治療中。大家の責任で治療費、慰謝料等で70万円の請求をされている。家賃は3万5千円(月)で不動産会社へ管理を依頼してあり修繕もその会社に頼んでいる。
今回天井が一部はがれかけてきた時点で、借家人は不動産会社へ電話をしている。しかし、担当者はすぐに行けなかった為、明日伺うと言った所、明日は借家人が都合が悪くあさってとなったが、担当者はそのまま忘れて行かず、借家人もそのまま放置、そして一週間後に天井の一部が落ちてきた。普段何かあると、私の方へすぐ言ってくるのに、今回不動産会社から連絡がないからと言って放置しておいた結果の事で、急を要する事態にも関らず何故大家へ連絡をしてこなかったか疑問に思う。
貸し手側の責任は当然あると思うが、70万円の一方的請求を考えると割り切れずに困っている。どの様にしたら良いのか教えて頂きたい。
A:
補足すると不動産会社への管理委託は正規なものではなく、管理費も払ってなく知己の関係上、入退居や修繕を頼んだりしていたらしい。但し、賃貸借契約書には管理会社としてうたってある。
さて、大家としては気の毒な事態で、同情せざるを得ない。全くもって降って沸いた災難である。
それでは二つの仮説を立てて、それぞれに説明して行こう。まず借家人が善意の場合、大家か不動産会社か意識せずにたまたま不動産会社へかけ、本人も忙しくてそのままになってしまいそして、不幸にも天井が落ちてきた、と想定する。
この場合、事故を招くおそれのある住宅を貸していたという貸し手側の管理責任が問われる。70万円が高いか安いかは別にして、相当分の支払い義務は生じるだろう。
理由は事前に管理会社へ事態を報告している。それ以降の連絡不行き届きは、大家と不動産会社の問題であり借家人の範疇ではない、という解釈になるからである。
二つ目は、借家人がこれ幸いに大家から金をせしめよう画策したと悪意に考えてみる。
当然、借家人は大家の責任を追求してくるので、結果は善意の場合と同じで、要求通り大家が認めれば支払い義務は生じる。しかし、借家人が意図的な可能性が濃厚な場合借家人の過失を捉らえて強調する方法がある。
今回は正しく「善管注意義務」違反である。賃貸借契約書条項にあるが、本件建物が毀損した時は乙は直ちに甲へ通告しなければならない。とあり、乙が借家人甲は大家であり不動産会社ではない。
(1) 何故、普段は大家へ言ってきていたのが今回不動産会社なのか?
(2) 一週間もかけて天井が落ちるのを待っていた故、思われるがいかがか?
(1)(2)を借家人に問う事により、本人に思い当たる節があれば、おそらく要求はトーンダウンするはずである。大家側の責任が無くなる訳ではないが減ずる事はでき、御自身の責任の自覚程度相応の支払いに持ち込む事ができる。
要は交渉のイニシアティブを取った方が優位に話を進められる、という事である。そしてイニシアティブは心にやましさがあると握れない。
以上、どちらにしても大家側の反省点は多い。是非今回の件を教訓とされたし。
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