事業法人で生命保険を契約した場合、商品によって保険料を経費にできたり資産に計上したりと、その取扱は様々です。「保険を使って退職金を積み立てる」の項目でも少し触れましたが、保険を使った節税について改めて考えてみたいと思います。
以前、下記の表をご覧いただきましたが、どの商品を使うかによってその経理処理が決まってきます(第7回)。もちろん契約の仕方によっては下記と違う処理を行うこともありますので、代表的なものとして考えてください。
| 保険料の全額を損金処理可 |
定期保険
逓増定期保険全額損金タイプ |
| 保険料の1/2を損金処理可 |
長期平準定期保険
逓増定期保険1/2損金タイプ |
| 保険料を資産として計上 |
終身保険 養老保険 |
|
具体的に保険契約の経理処理を見てみましょう。
(ここでは保険の契約形態を『契約者:法人、被保険者:役員、保険金受取人:法人』としております。)
まず、保険料の経理処理は、大きく分けて下記の2つのパターンになります。
| <保険料支払時> |
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| ○損金タイプ(費用計上) |
○資産タイプ(資産計上) |
| 保険料 / 現金 |
保険料積立金 / 現金 |
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損金タイプの場合、商品によって全額であったり2分の1であったりしますが、費用計上された保険料相当分は損金として処理できます。ここが保険を使う効果として着目されている部分です。
資産タイプの場合は、費用とはならず資産(保険料積立金)に積み立てることとなります。
保険の経理処理の理解はこれだけでは不十分です。保険の場合、保険金や解約時の返戻金が入った段階でも経理処理が必要となります。保険料支払時の処理によって受取時の処理も変わってきますので、その点も踏まえておかなければなりません。
保険金等を受け取る際の経理処理は下記となります。
| <保険金受取時(満期保険金、死亡保険金、解約返戻金)> |
| ○損金タイプ |
○資産タイプ |
| 現金 / 雑収入 |
現金 / 保険料積立金
(※雑損失)/ 雑収入 (保険差益) |
|
つまり、節税するといっても、
・損金タイプは、保険料支払時に費用計上することで節税することができるが、保険金等を受取った時には利益として計上されるため、結果的に利益を繰り延べているものである。
ということになります。
ですから、以前お話ししました退職金のようなある程度大きい経費が見込まれている場合は、損金タイプを活用することで、節税を行いつつも退職金のための現金及び利益の準備ができ、あわせて会社業績への影響を少なくすることが可能となります。
一方、全く目的が無いまま単なる節税のためだけに保険に入った場合は、思わぬところで利益が発生してしまうことがあります。
結局は、ある程度目的を持った保険の入り方をしないと折角入っても意味の無いものになってしまう可能性がある、ということですね(第1回ご参照)。
保険を使った節税のポイントは
・利益の繰り延べである
・将来の現金を確保する
の2つです。
この点をご理解いただくと、保険が会社にとって有効な商品になりうるということが実感できると思います。次回は、具体的に数字で見ていきましょう。
【ご参考:保険料の経理処理について】
<全額損金商品>
定期保険、逓増定期保険(全損タイプ)の仕訳例
| (借方) |
(貸方) |
| 定期保険料 1,000,000円 |
現金又は預金 1,000,000円 |
|
<2分の1損金商品>
長期平準定期保険、逓増定期保険(2分の1タイプ)の仕訳例

保険期間40年、年間保険料100万円とした場合
・保険期間うち6割相当期間(=24年間)
| (借方) |
(貸方) |
支払保険料 500,000円
前払保険料 500,000円 |
現金又は預金 1,000,000 円 |
|
※6割期間終了時点で、前払保険料累積額は12,000,000円
・残りの期間(=16年間)
| (借方) |
(貸方) |
| 支払保険料 1,750,000円 |
現金又は預金 1,000,000円
前払保険料 750,000円 |
|
※前払保険料は、12,000,000円÷16年=750,000円
<資産計上タイプ>
終身保険、養老保険の仕訳例
| (借方) |
(貸方) |
| 保険料積立金 1,000,000円 |
現金又は預金 1,000,000 |
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