日本における不動産証券化の歴史は欧米諸国と比べると浅く、大きくバブル崩壊の前後で分けることができます。バブル崩壊以前は法定のスキームによる不動産証券化商品は存在せず、不動産小口化商品といわれる商品が販売されていました。その内容は投資家がディベロッパーから不動産の共有持分を買い取り、共有持分を信託する信託型や任意組合や匿名組合を作り、最終的に投資家に利益を配分する組合型が主流でした。しかし、バブル崩壊後、経営基盤の脆弱な業者等の倒産によって、投資家に直接被害をもたらす事例が発生してしまいました。
そこで投資家の保護を目的として、平成7年4月に『不動産特定共同事業法』が施行されました。これにより許認可を受ける事業者にはいろいろと厳しい規制が敷かれることになりました。さらに国内の多額の不良債権の迅速な処理が叫ばれる中、平成10年9月には『旧SPC法』が施行され、平成12年11月には旧SPC法の抜本的な改正が行われ、『資産の流動化に関する法律(SPC法)』となり、さらに使い勝手がよくなりました。これと時を同じくして『投資信託法』の改正が行われ、運用対象の範囲が有価証券から不動産等にも拡大され、不動産投資信託(J-REIT)の組成が可能となりました。そして平成13年9月に日本初のJ−REITとして東京証券取引所に2本が上場しました。J−REITが上場した日が平成13年9月10日でニューヨークの爆弾テロ事件の起きた日が奇しくもその翌日の9月11日だったということもあり当初はJ−REITの行く末も不安視された時期もあったようですが、順調に右肩上がりの成長を続けており、現在では上場本数23本、時価総額2兆6千億円の市場規模に達しています(平成17年10月7日現在)。現在の不動産証券化商品は上記の法定スキームとYK+TKといわれるスキームの4つからほとんど全ての商品が成り立っています。各々の個別のスキームについては別途解説していきます。
○ 用語の解説
YK+TK
有限会社+匿名組合の略として使われる証券化用語、私募ファンド等もっとも使い勝手の良いスキームとしてよく用いられる。
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