真正売買が成立する要件は3つあります。一つは第三者に対する対抗要件(不動産の場合は登記となります)が具備しているか、次に不動産の売買価格が適正であるか、そしてもう一つはオフバランスの要件をクリアしているかです(オフバランスについては第5回を参照)。一見簡単なようですが、ある売買が実際にこれらの要件を満たしているかどうかを判断するのは実際難しいものです。特に2番目の『不動産の売買価格が適正であるかどうか』という点については、最終的にこの価格がオフバランスの判断にも影響してきますのでとても重要です。通常は不動産鑑定評価を取得しますが、客観的事情も含めて総合的に判断されるのが実情です。
仮に不動産売買が真正売買として否定された場合、その権利はオリジネーター自身に戻ってしまいます。そうなると単なる不動産を担保としたローンであると判断されてしまい、オリジネーターが倒産した場合に債権者が不動産に対して権利を主張する可能性が残ってしまいます。具体的には、オリジネーターが倒産手続きに入ったときに対象不動産が差し押さえされるという問題が生じてしまいます。そうなると安心して証券化のスキームは組成できないということになってしまいます。そういったことからも真正売買が成立しているか否かは重要な意味を持つことになるのです。
なお、真正売買はあくまでも法律上の問題です。かたやオフバランスは会計上の問題であり、両者は密接な関係にはありますが、まったく別ですので混同しないように注意しましょう。 |