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知って得する不動産証券化講座
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第3回:保有リスクの軽減効果と調達手段の多様化
前回、オリジネーターのメリットということでオフバランス効果を解説しました。今回は『保有リスクの軽減効果』と『調達手段の多様化』について見ていくことにしましょう。
b)保有リスクの軽減効果
不動産の市場価格が下げ基調にある場合には不動産を所有していること自体がリスクの要因となります。従って不動産をオフバランスすることによって資産保有のリスクを減らしておくことは、個人および企業の財務にとって重要な意味を持つわけです。また、不動産の価値が一定水準以下に下落すると減損会計の対象となってしまいます。オフバランスによって、価値下落分の損失計上を未然に防ぐ効果も期待できるというわけです。

c)調達手段の多様化
不動産を証券化することによって、オリジネーターはSPCから不動産の売却代金を手に入れます。この原資をたどると金融機関の借入金以外に小口分散させて投資家から投資を募ったり、シニア債、メザニン債(メザニンとは中二階のという意味です)といった優先劣後構造の手法を用いたりとさまざまです。この売却代金を借入金の返済に充当して有利子負債を削減することもできますし、収益性の高い不動産に再投資することも可能となります。証券化というツール(道具)を持つことによってオリジネーター自身が従来の間接金融とは異なった新たな資金調達手段を創造することができるわけです。さらに業績の芳しくない会社の場合は、オリジネーターが自社で行う資金調達が高い金利を強いられるために収益性の高い不動産をSPCに売却し、SPCにて資金調達を行なうケースも考えられます。SPC保有の不動産の収益性が高く、返済能力があると貸し手側が判断すればノンリコースローンの金利は、低い金利が適用され、SPCがオリジネーター自身よりも低金利での調達が可能になる場合があります。その結果、オリジネーター自身が高い金利を払うよりも、SPCに保有させて配当収入を得る方が有利になるわけです。個人も企業としてもその時々の金融環境などに応じて、最も有利な資金調達手段を選択すべきです。証券化手法には資金調達の多様化を図ることができるという側面もあるということを覚えておきましょう。
図
用語の解説
減損会計
固定資産の時価が簿価を大幅に下回る場合、含み損を損失として財務諸表に反映させる会計制度。平成17年4月以降の会計年度より導入を開始。

ノンリコースローン
返済原資を対象の資産およびそれから生み出されるキャッシュ・フローのみに限定しているのが最大の特徴、ゆえに債務者自身および連帯保証人に遡及しないローンといえる。

優先劣後構造
社債を発行し、投資家からお金を集める場合等に、図表のようにリスクや条件の異なる複数の社債を発行し、シニア(優先)→メザニン(中間)→ジュニア(劣後)と格付けにより区別する方式。 シニア債の方がジュニア債より格付は高く、投資家への返済順位も優先される分、投資家への配当利回りは低い。
著者:TFP不動産コンサルティング株式会社
宅地建物取引主任者
2級ファイナンシャル・プランニング技術士
中尾 健
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