最も上流に位置するところに新築で賃貸物件を建てた元々の所有者がいるとします。この物件を賃料利回り10〜15%で運用しているとします。(ここで説明している利回りとは単純に年間賃料を購入価額で割ったものです。仮に年間賃料が10百万で購入価額が1億円だとすると、この物件の表面的な利回りは10%だということが言えます。)これを買取り業者に利回り7〜10%で売るわけです。すると買取り業者が今度は利回り5〜7%で私募ファンドに売ります。私募ファンドは、それを3〜4%でJ−REITに売却します。おおよそこのように物件が利回りの高い所から低いところへ徐々に流れ込んでいく構図と言えます。(ここで用いた利回りはあくまでも一例であり、全ての物件がこの利回りの範囲内で取引されているわけではありません。)
J-REITは出口のない大海に例えられます。基本的にJ−REITは出口戦略を持たずにファンドの資産規模を大きくすることを主眼に、長期的な視点でインカムゲインによる安定運用を目指しています。資産規模を大きくすればするほど、物件数も増えるため将来的にある物件が老朽化し、新築ビルへの建て替えが必要になった場合であってもその間の賃料収入の減少の影響を最小限に留める効果が大きくなるというわけです。物件の傾向としては、新築物件の方が流れやすい構造になっており、老朽化すればするほど売れにくく底だまり物件となりやすいと言えます。特に最近の構造計算問題を契機に、築古物件への見方はますます厳しいものとなっています。
今後、海底に穴が開いてしまうような事態が起こるとJ−REITの戦略も見直さざるを得ないようなことになります。関東大震災のような不測の事態がおこらないことを願いたいものですね。 |