今回は、第1回「図1アパート・マンション経営事業計画フロー」のステップ5商品・サービスに関して、今回は商品の代金に当たる賃料の不払い対策について、お話します。
アパート経営にとって、売上に相当するのが賃料ですが、時としてその賃料支払い延滞や、売上の未回収が発生します。
様々な入居者を対象としていますので、勤め先の倒産やリストラ、病気など様々な理由はあるでしょうが、中にはどれだけ督促を繰り返しても、全く支払う意志のない悪質な家賃滞納者もいます。
家賃滞納は、5年で債権者の請求権が消滅するので、督促は限られた時間の中で効率的な回収業務を行う必要があります。
家賃滞納の長期化は、アパート経営の最大の経営のリスクであり、トラブルです。家賃保証制度を活用して不動産業者にアパート管理を任せている場合は別ですが、アパート経営の成功の為には、家賃滞納対策が極めて大切になります。
Q:アパート経営を始めました。不動産業者に任せずに、自分で管理し、家賃の集金は入居人からの銀行口座振込み方式にしました。もし、家賃の滞納が起きた場合どのような対応をすればよいでしょうか?
A:ベテラン不動産業者からのアドバイス
(1)初期対応
家賃滞納が発生したら とにかく早めに入居者との直談判することが効果的です。家賃の振込みが遅れた場合は、2〜3日以内に必ず電話を入れ注意を促す。1週間以内に入金がなければ、直接訪問します。相手の顔を見ながら催促し、その場で支払い期日を約束させます。
(2)連帯保証人への連絡
支払い期日を守らない場合、連帯保証人に連絡し、保証人から直接支払ってもらうか、あるいは入居者に支払い行うよう話をしてもらいます。
(3)明け渡し交渉を加える
3ヵ月以上滞納すると全額回収が厳しくなってくるので、その前に滞納金の督促と併行して、早期の明け渡しを見込んだ交渉を行います。敷金・保証金と家賃の相殺が可能な範囲なら、明け渡し交渉に力点を置きます。
(4)3ヶ月延滞後の催促活動
3ヵ月滞納となると、内容証明郵便で期日を明示し滞納賃料全額の催告をする。期日までに入金がない場合は、賃貸借契約を解除し、部屋の明け渡しを通知します。この間、電話・訪問催促・連帯保証人への協力依頼・内容証明郵便での催告も繰り返し行います。
(5)訴訟
ここまでの事を行って解決しない場合、最後は訴訟となります。不動産・賃貸・民事訴訟に強い法律事務所を選定し、対応してもらいます。早くて2〜3ヵ月で和解調停に入るケースが多く、行政代執行となれば、延納賃料、損害金の回収にかかります。
(注1)
この場合問題なのは、弁護士費用と時間がかる事です。60万円以下の請求を対象にした少額訴訟は1〜2回の審理で即決、和解しますが、明け渡しの解決にはなりません。
(注2)
結局、裁判は時間とコストがかかるので、大家さんは滞納家賃の回収をあきらめ、部屋の明け渡しに注力することで我慢する事例が多くなっています
(注1)行政代執行(ぎょうせいだいしっこう)とは、行政上の強制執行の一種。義務者が行政上の義務を履行しない場合に、行政庁が、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から徴収することをいう(行政代執行法1条、2条)
(注2)少額訴訟制度とは、60万円以下の金銭の支払いを求める訴えについて、その額に見合った少ない費用と時間で紛争を解決する訴訟制度です。各地の簡易裁判所において裁判が行われ、原則としてその日のうちに審理を終え、判決が出されます。通常の訴訟と異なり、簡易迅速な解決を図るために特別な手続が用意されています。
| |
・ |
少額訴訟の判決は、原則として審理終了後直ちに言い渡されます。
また、判決には支払の猶予や分割払いの定めが付されることがあります。 |
| |
・ |
判決に対しては上の裁判所(地方裁判所)に控訴をすることは出来ず、原則として、その少額訴訟をした簡易裁判所に対して異議の申立てをすることのみが認められます |
以上
マーケティングコンサルタント
中小企業診断士
宅地建物取引主任者
西田 政彦 |