今回は、第1回「図1アパート・マンション経営事業計画フロー」のステップ4
ターゲット顧客についてお話します。
アパート経営もビジネスですから、ターゲット顧客にあわせた商品=アパートを作る必要があります。こらからのアパート経営では、どんな顧客をターゲットにすれば成功できるのでしょうか?
アパート経営は最初に大きな投資をして、20年〜30年かけて資金を回収し収益が生れてきます。ですから長期の社会環境を捉え、今後成長していくターゲット顧客を狙うべきです。
やはりキーワードは高齢化でしょう。日本は世界一の長寿国であり、世界に類を見ないスピードで高齢化していきます。(資料1)年金や就労、医療など様々な分野で高齢化に対応した社会システムへの再構築が迫られ、種々の問題や歪みが生じています。住宅等の住居問題もその一つです。

時流に乗ったビジネスは、成長します。今後急速・確実に高齢者人口・世帯が増加する社会環境を背景に、アパート経営も高齢者をターゲットにすることが最も成功の近道です。下記の高齢化と住居に関する情報を頭に入れて高齢化向けアパートつくりを考えましょう!
■高齢化と住居
(1)日本は急速に高齢化社会へと転換
2000年、65歳以上の高齢者人口は、約2,201万人(総人口の17.3%)でしたが、2015年には高齢者人口は約3,227万人となり4人に1人が高齢者になり、さらに、2025年には約28.7%、2050年には約35.7%
の高齢者人口比率と推計されています。(総務省、国勢調査平成14年)〈資料2〉

(2)高齢者のみ世帯の急増
高齢者のいる世帯は、2002年約1,685万世帯(総世帯数4,601万世帯の約36.6%)で、しかも核家族化進展の中で高齢者単身世帯および高齢者夫婦のみ世帯が増加し、2002年には約823万世帯(高齢者の居る世帯の48.8%)です。2015年には約1,180万世帯と急増し、高齢者世帯の約3分の2が高齢者のみの世帯になると見込まれています。(内閣府「高齢化の状況及び高齢社会対策の状況に関する年次報告」平成15年度)
(3)借家に住む高齢者世帯の増加
高齢者単身・夫婦世帯約593万世帯の約23%の137万世帯が借家に住んでいます。特に高齢単身世帯の約35%の84万人が借家に住んでいます。さらに、高齢者の病気、事故、家賃不払いへの不安から高齢者を敬遠する民間のアパート経営者が多く、高齢者が新たに借家することが困難な状況が拡大すると予想されます。(総務省「日本の住宅・宅地生成10年住宅・土地統計調査の解説」)
老人ホーム、病院等の施設に入院・入所している高齢者は約102万人で、高齢者の約4.6%にすぎません。(総務省、国勢調査平成12年)
(4)高齢者世帯の住居構造
高齢者が住む住宅について、高齢者にとって利便性や安全性の高いバリアフリー化が遅れている。特に、高齢単身世帯の約35%が住んでいるアパートの多くは高齢者に対応したバリアフリー住宅になっていない。
「手すり」「段差の無い室内」「車椅子で通行可能」の3点に対応しているアパートは、たった2.3%です。(日本住宅協会「住宅需要の動向」平成10年)
(5)高齢者の住居の安定確保に関する法律(2001年制定)
・ 高齢者円滑入居賃貸住宅制度の普及
・ 地方公共団体等による高齢者向け優良賃貸住宅の供給
・ 終身建物賃貸借事業の創設等
(6)高齢者のアパート建設増加に関する制度
(高齢者対応型民間賃貸住宅ストック形成のための制度構築)
・ 高齢者対応型民間賃貸住宅等供給支援システムの構築と生涯借家契約の検討
・ 高齢者が敬遠されない民間賃貸市場の環境整備
(高齢者入居住宅登録システム等による情報提供体制の整備、大家不安解消システムの構築)
・ 民間事業者等の取り組みに対する支援体制の整備
・ バランスの取れたコミュニティの形成
・ ニーズに応じた高齢者との同居・近居の支援
(2006年6月住宅宅地審議会答申「21世紀の豊かな生活を支える住宅・宅地政策について」)
次回は、高齢者むけアパート建設のヒントとなる事例をご紹介します。
マーケティングコンサルタント
中小企業診断士
宅地建物取引主任者
西田 政彦 |