今回は、第2章アパート経営の目的です。賃貸経営の目的として一般的に、次の項目が挙げられます。
1. 土地を有効的に活用できる
2. 長期的に安定した収入が得られる
3. 比較的簡単に経営ができる
4. 資産が目減りすることなく、時代の物価にスライドできる
5. 固定資産税を軽減する
6. 相続税を軽減する
7. 所得税を軽減する
8. 先祖代々の土地財産を継承できる=相続税対策
今回は1.2.についてお話します。 |
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(1)土地は「持つ」ことから「活用」する時代に
土地は持っていれば値上がりし、担保としてお金を借りることが出来、売ればキャピタルゲインを得られる安全・確実な資産でした。しかし現在では地価は下落し、購入・所有していることによる資産増加・担保価値・売却利益を期待することができなくなりました。土地は有効に活かすことにより収益がもたらされますが、活用しなければ、単に固定資産税額などのコストがかかるだけの資産といえます。
(2)土地活用方法、賃貸経営の比較
所有する土地の有効活用方法にはいろいろなものがありますが、安全・確実な方法としては、貸駐車場、貸店舗、賃貸ビル、賃貸マンション、賃貸アパートなどの賃貸経営です。それぞれの特徴は、次の通りです。
・ 貸駐車場
最も手軽に出来る土地活用方法であり、少ない投下資本でスタートすることができます。ただし、駐車場利用ニーズが所有する土地の周辺にあるか?という立地・地域条件が一番の問題になります。また、面積あたりの収益性は低いし、アパートのように土地に対する固定資産税の軽減措置や相続税の評価減の制度も適用されないことがデメリットです。
・ 貸店舗
店舗に適するかどうか?どんな店舗に適するか、その店舗に顧客は集まるか等専門的な判断を必要とする土地の立地条件が問題となります。賃貸経営は、駐車場よりも判断が難しい土地の立地条件に大きく左右される土地の活用方法です。また、長期・安定的な借り手になるかは、そのテナント自身の経営力に頼るリスクも負うことになります。
・ 賃貸ビル経営
なにより、ビル建築への大きな投資額に対するリスクを負うことになります。また、貸店舗以上に立地条件に左右されるし、テナントも需給バランスも問題になります。最近のようなビル過剰時代にあっては、投資が大きい分、テナントが入らないリスクは貸店舗以上に大きくなります。
・ 賃貸マンション
賃貸マンションは三階建て以上であり、コンクリート造(耐火構造)のもので、アパートに比べて規模や建築単価の面から、投資額も大きくなります。しかも減価償却費算出の耐用年数も長く(※1)、賃貸経営による利回りは低くなります。
(3)安全・確実で安定収入を生む「アパート経営」
賃貸アパートは、景気や季節、物価などによる影響も少なく、税金対策にも活用でき、長期に安定した収入を生み出します。
賃貸マンションに比べ、投資の額も少なくてすみます。
「所有している土地にアパートを建設し、入居者に貸して、毎月の家賃を得る」ビジネスとして非常にシンプルで分かり易く、さらに、事業を通じて固定資産税、相続税、所得税が節税できるメリットが期待できます。
アパートは一度建てれば、古くなればリフォームをし、賃貸経営を続けることが出来き、長期に安定した収入=キャッシュフローを生みます。また、今はデフレで地価は上がりませんが、インフレになれば家賃や地価は物価にスライドして上昇し、インフレヘッジ対策にもなります。これもアパート経営のメリットといえます。
もちろん、アパート経営にもデメリットもあり、空室の発生や家賃水準の低下です。そうした対策は、スタート時に総合的なマーケティングリサーチに基づいて事業プランを立てることが大切ですし、事業開始後、信頼できる不動産業者・メーカー・管理会社に相談し一緒に経営をしていくことが必要でしょう。
(※1)
減価償却については大蔵省令「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」に基づき設定。償却法は、定率法と定額法がありますが、平成10年4月以降の建物については、定額法による。
定額法の計算式
⇒「x年目の償却額=償却対象額 x (1−残存割合)/償却年数」
(残存割合、償却年数は、法定にしたがって設定)
建物耐用年数(蔵省令「減価償却資産の耐用年数等に関する省令より抜粋」
| 課税標準 |
SRC造(※2) |
S造(※3) |
木造 |
| 事務所 |
50年 |
38年 |
24年 |
| 住宅 |
47年 |
34年 |
22年 |
| 店舗 |
39年 |
34年 |
22年 |
| 飲食店 |
41年 |
31年 |
20年 |
| 営業倉庫 |
31年 |
26年 |
15年 |
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(※2)鉄骨鉄筋コンクリート構造
(※3)木造または合成樹脂造
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著者:マーケティングコンサルタント
中小業診断士
宅地建物取引主任者
西田 政彦 |
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