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賃貸経営入門講座詳細
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アパート経営の運営−賃貸住宅の契約書
「第5章アパート経営の運営」(賃貸経営入門第3回)の3回目です。

1.賃貸契約の種類
アパートの賃貸契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。
「普通借家契約」は、従来からの伝統的な契約形態で、賃貸借契約の期間が満了しても、大家さん(貸主)は借家人に明け渡しを認める正当な事由が認められないと、契約は終了しないものとされています。(正当事由が認められない場合には、賃貸借契約は民法によって更新されます)また、賃借権の期間が満了しても、原則終了しませんでした。(法定更新された後の賃貸借契約は、期間の定めのないものとされます)

従来からの普通借家契約では、大家さんにとって一度アパートを貸すと、なかなか立ち退きをさせられないため、賃料のアップや保証金の要求になり良質な借家の供給の阻害になっているとし、定期借家契約が新設されました。(借地借家法38条、平成12年3月1日施行)(注1)

「定期借家契約」は、契約で定めた期間が満了すれば、大家さんに正当な事由がなくとも契約が終了するという内容です。契約にあたっては、従来からの普通借家契約より新しい定期借家契約約が大家さんにとっては有利です。但し、普通借家契約を 借地借家法改定前(平成12年3月1日施行)に契約していたものを、契約期間満了によって定期借家契約に切り替えたいといっても当分禁止されています。(経過措置)

2.定期借家契約と普通借家契約の比較
  定期借家契約 普通借家契約
契約方法 ・公正証書等の書面による契約に限る
・ 契約書とは別に、「更新がなく、期間の満了により終了する」ことを事前に、書面を交付し説明
・書面でも口頭でも可書面でも口頭でも可
・ただし、宅建業者の媒介等により契約を締結したときは、契約書を作成
契約期間の上限 ・無制限 ・2000年3月1日より前の契約→20年
・2000年3月1日以降の契約→無制限
1年未満の契約効力 ・1年未満の契約も可能
・ 期間満了により終了し、更新はない
・期間の定めのない賃貸借とみなされる
更新の有無 ・期間満了により終了し、更新はない
・ただし、再契約は可能
・原則として正当な理由がない限り更新される
賃料の増減 ・特約の定めに従う ・事情が変更すれば、貸主と借主は賃料の額の増額や減額を請求できる
・ただし、一定の期間賃料を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う
中途解約 ・やむを得ない一定の事由により、生活の本拠として使用することが困難となった借家人からは、特約がなくても法律により、中途解約ができる(床面積200m2未満の居住用建物)
・ 上記以外の場合は中途解約に関する特約があればその定めに従う
・中途解約に関する特約があれば、その定めに従う
賃料の増減 ・期間満了の1年前から6ヶ月前までに通知後、正当な事由がなくても明け渡しが要求できる ・正当な事由がない場合、従来の契約と同一の条件で更新される


3.定期借家契約のメリット・デメリット
  メリット デメリット
大家さん
(賃貸人)
・ 賃貸住宅の供給がしやすくなる
・ 家賃を適正に設定することが可能となる
・ 修繕計画が立てやすくなる
・ 賃貸事業の収益性の予測が立てやすくなる
・ 定期借家権は新規契約に限定
・ 既存住宅更新の際は従来どおり
・ 家賃が低下したり、敷金や保証金が低額化したときは、改めて契約書を作成
賃借人 ・ 良質な住宅の供給が促進される
・ 価格が安くかつ良質な住宅サービスの供給
・ 貸主側の競争が激化することによるサービスの向上
・ 期間が満了した時の住み替えのリスクがある
・ 再契約時の家賃上昇の可能性がある
・ 契約条件により、賃貸契約が終了


4.定期借家契約の成立要件
定期借家契約の成立には次の4条件が必要です。この要件を満たさないと従来型の普通借家契約として扱われます。

(1) 契約期間を定める 一定期間の満了で、契約を確定的に終了することができるのが特徴ですので、あらかじめ、一定の期間を定めることが必要です。この制度では、借地借家法第29条(注2)に定める1年未満の建物賃貸借を期間の定めのないものとみなす規定は適用されないこととされており、1年未満でもよいこととなっています。

(2)契約前に定期借家契約である旨を記載した書面を交付し説明
貸主は借主に対して、契約の更新はなく、期間の満了とともに 契約が終了することを、契約書とは別にあらかじめ書面を交付 して説明しなければなりません。貸主がこの説明を怠ったとき は、その契約は従来型の、契約の更新のある普通借家契約とな ります

(3)契約書は、書面により契約をする 法文上は、公正証書による等書面によって契約するとされてい ますが、これは例示であり、契約書があれば足ります。

(注1)
第3節 期限付建物賃貸借
第38条(賃貸人の不在期間の建物賃貸借)
転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物を一定の期間自己の生活の本拠として使用することが困難であり、かつ、その期間の経過後はその本拠として使用することとなることが明らかな場合において、建物の賃貸借をするときは、その一定の期間を確定して建物の賃貸借の期間とする場合に限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条の規定を適用しない。
2 前項の特約は、同項のやむを得ない事情を記載した書面によってしなければならない。

第1節 建物賃貸借契約の更新等
第30条(強行規定)
この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。

(注2)
第29条(建物賃貸借の期間)
期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。
著者:マーケティングコンサルタント
中小業診断士
宅地建物取引主任者
西田 政彦
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